♯109 読書記録 江戸川乱歩「人でなしの恋」

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読書記録「人でなしの恋」

著者:江戸川乱歩

出版社:創元推理文庫

初版:1926年10月

109回目の投稿になります

あなたは、幼少の頃から手放さず、ずっと愛着を持っていた物や人形はありますか?

どちらかと言うと女性にその割合は多いのかもしれませんが、私にもありまして、それは「タオルケット」です^^

しかも、新品じゃなく、使い古して洗濯を何度もして手ざわりがケバケバになったやつです^^

ちょっと変態っぽい感じになりましたが、そのケバケバをさすっていると安心するんです

「急にお前の癖(へき)を語り出してどした?^^」と思われたかもしれませんが、今回紹介する「人でなしの恋」のお話の肝が、まさにこの「愛着のある人形」なのです

話は、京子という19歳の女性が、門野(かどの)という男に嫁入りした所から始まります

門野は「家に引っ込みがちで女嫌いという噂もあり」、京子は心配していたが、門野は京子に優しく、しばらくは「夢のような新婚生活」を送ります

しかし、半年ほどたった頃から京子は違和感を抱きます

夜な夜な離れの土蔵に行く門野

浮気相手がいるのではと、こっそり後を追う京子

そこで、門野が愛していたのは…

この先、書いちゃっていいんでしょうか?^^

まあ、核心に触れない程度なら大丈夫でしょう^^

門野が愛していたのは女性の人形でした

「私は京子を愛そうと努めたのだけれど、悲しい事に駄目なのだ。若い時から馴染みを重ねたお前の事が、どうしても私にはあきらめ兼ねるのだ」

と人形に語りかける門野

京子は悲しい思いを抱きつつも、門野の苦悩も理解しようとして話は終わって…

いかないんです^^

「さて、私の懺悔話と申しますのは、実はこれからあとの、恐ろしい出来事についてでございます」

江戸川乱歩の小説でゾッとするのは、終盤でこの「実は」という表現が出てきたときです^^

これ以降の内容は書きませんが、私は京子の気持ちもわかるし、門野の気持ちもわかるしで、読み終えてすごく複雑な感情になりました

こちらへお越しの読者様なら、なんとなく結末が想像できた方もいそうな気がします

あと、離れの土蔵の戸に耳をそばだてて中の様子を窺おうとする場面や、夜の描写がとーーーっても緊迫感があって面白いです

タイトルの「人でなし」も、読み終わるとダブルミーニングになっている事がわかります

欲求を前にした時の人間の複雑な心理がむきだしに描かれています

私はこれを23時頃に読んで、ちゃんと眠気が醒めました^^江戸川乱歩、おそろしや

30分程度で読めるボリュームです

読者様もいかがですか?面白さは保証いたします^^

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